血管年齢という言葉を聞いたことがある人もいるかと思いますが、血管年齢というのは血管がどれくらい老化しているのかを表しています。

そして、血管が老化するとはどういうことかというと、動脈硬化がどれくらい進行しているのかということを示しています。

動脈硬化になると血管が硬く厚くなり、さらに弾力性が失われてしまい、その結果、脳卒中や心筋梗塞といった怖い病気や手や足の血管の病気を引き起こしてしまうため、動脈硬化を予防するためにも血管の老化を予防する必要があるのです。

ちなみに、日本人の死因の1位はがん、2位は心疾患、3位は肺疾患、4位は脳血管疾患となっています。
3大死因

これを見ればわかりますが、死因の1位~4までの中に「心疾患」と「脳血管疾患」という血管の病気が2つもランクインしていることからも、血管の老化を予防するだけで今後平均寿命がもっと伸びていくのではないかと考えられます。

そこで今回は、血管が老化する原因と老化の予防方法についてご紹介したいと思います。

血管が老化する原因は?

血管老化の原因
最近では血管年齢の老化がどんどん早まっているというのもご存知でしょうか?

昔は血管の老化が始まるのは40代以降であると考えられていましたが、最近では20代の若い人でも血管年齢が40代や50代の年齢の人と同じくらい老化している人も増えてきており、若くても動脈硬化のリスクが高まっている人もそれほど珍しくはありません。

何故若い人で血管年齢の老化が進んでいるのかというと、血管年齢には生活習慣が大きく関連しているからなのです。

生活習慣で血管の老化が進行する

生活習慣で血管老化
血管の老化には生活習慣が大きく関わっており、塩分や糖分、脂質の摂り過ぎといった食事に関連するものから、運動不足や過度の喫煙や飲酒、そしてストレスも血管に様々な悪影響を与えると考えられています。

この中でも特に食生活の欧米化による塩分・糖分・脂肪分の過剰な摂取が動脈硬化の大きな要因と言われています。

最近では小学生でもハンバーガー等のファーストフードや高カロリーの食べ物を食べる機会が増えてきたおかげで、子供の肥満が問題化されており、生活習慣病と診断される子供が増えてきています。

その他にも喫煙も血管の老化の主要な要因となっており、タバコに含まれるニコチン等の有害物質が血流を悪化させ血管の老化を進行させてしまいます。

さらに、近頃ではストレス社会と言われるくらいで、学校や仕事でストレスを抱える人が非常に増えてきているのも血管の老化人口が多くなっている原因の1つとなっています。
ストレスと血管老化

もちろん加齢によっても血管の老化は進んでいきます。

血管が老化するってどういうこと?

血管の老化
そもそも血管が老化するとはどういう状態のことなのでしょうか?

最初に血管が老化するということは動脈硬化が進行しているということであるとお伝えしたとおり、動脈の壁が硬くなることで老化が進行していきます。

動脈硬化の進行

動脈は外側から「外膜」、「中膜」、「内膜」という3つの層から構成されているのですが、このうち内膜は内皮細胞という細胞で構成されており、血管の老化は内皮細胞が傷つくところから始まります。

内皮細胞は血液が固まるのを予防したりと様々な重要な働きを持っているのですが、内皮細胞の機能が低下することで血管壁にコレステロールや脂肪等のドロドロした物質が溜まりプラークという物質が作り出されます。

そしてプラークが出来ることで血管が狭くなって血流が悪くなったり、プラークが破れることで血管が閉塞して脳梗塞や心筋梗塞等の重大な血管の病気を引き起こしてしまうのです。

血管の老化を予防するには?

血管老化の予防
それでは、血管の老化を予防するにはどのようにすれば良いのでしょうか?

血管の老化を予防するために最も重要になってくるのが食生活です。

普段から塩分や糖分、脂質の摂り過ぎに注意し、食べ過ぎないようにすることで血管の老化を遅らせることが出来ます。

特に肥満になると血管の老化が進行しやすくなるので、太り気味の人や食生活が乱れている人は一度自分の生活習慣を見直してみましょう。

お酒も少量であれば特に問題はありませんが、過度な飲酒は血管年齢を高めてしまいます。

そして、要注意なのが喫煙者です。

喫煙と血管老化

タバコは血管年齢を進行させるだけでなく、肺がんや慢性閉塞性肺疾患等の病気のリスクを高めてしまうので禁煙するか、どうしても禁煙出来ない人は少なくとも吸う本数を減らすようにしましょう。

ちなみに、個人差はありますが喫煙者の血管の病気のリスクが非喫煙者と同じレベルになるには約5年かかると言われています。

また、意外かもしれませんが熱いお風呂に入ると血圧が急上昇し、血管に負担をかけてしまい老化を早めてしまうので熱すぎるお風呂に入るときも注意が必要です。

以上のように、血管の老化を予防するには食生活や生活習慣を少し変えるだけで簡単に出来るので、出来ることから少しずつでも良いので改善していきましょう。

血管年齢の若返りは出来る?

血管の若返り
それでは、もし血管年齢が進行してしまっていたら、もう若返らせることは出来ないのでしょうか?

実は、昔は一度老化した血管年齢を若返らせることは出来ないと言われていましたが、最近では原因となる食生活や生活習慣を改善したり、適切な治療を行うことで若返ることも可能であると言われています。

特に喫煙者で動脈硬化と診断された場合は、禁煙が必須となるため自分だけで禁煙することが難しい場合は家族の協力が必要になることもあります。

ただし、動脈硬化の進行具合によっては若返らせることが難しい場合もあるため、手遅れになる前に何らかの対応を行うことが非常に重要なポイントになってきます。

そのためにも健康的で規則正しい生活を行うことが大切なのです。

おわりに

血管老化と病気
血管の老化は動脈硬化の進行具合を意味しており、老化すればするほど死亡につながる重大な血管疾患を引き起こすリスクが高まってしまいます。

血管年齢を老化させないようにするのはそれほど難しいことではなく、日常生活を少し見直すだけで誰でも簡単に老化を予防することが出来ます。

健康的な血管は長生きの秘訣でもあるのです。

血管年齢は外見からは確認することは出来ませんが、クリニック等で簡単に測定することが出来るので、もし自分の血管年齢が知りたいという人は一度チェックしてみると良いかもしれません。

もし老化が進んでいても早く対応すればするほど若返らせることが出来るので、自信がない人は是非お試しください!